微妙な利害関係と犯人の動機、方法はまさに戦略なのだ

サスペンス・ドラマの犯人役はゲーム戦略を解説する存在である

サスペンス・ドラマでも、事件に関係している人々の間に微妙な利害関係があって、犯罪の動機が明らかになったとき、なるほどと思えるようなものが面白い。言い換えれば、インセンティブの構造が込み入っているものほど面白いし、ありきたりの動機ではがっかりさせられてしまう。「刑事コロンボ」シリーズは、このあたりを巧妙に利用している。ドラマの開始5分で犯人自体はわかってしまうのであるが、刑事コロンボが犯人が直面していた微妙なインセンティブの構造を、しだいに明らかにしていくところが、このドラマのまさに魅力になっている。

2いろいろなインセンティブ経済問題で重要になるインセンティブには、大きく分けて価格・金銭によるインセンティブ、法律や制度によるインセンティブ、あるいは習慣や宗教によるインセンティブに分類できる。価格・金銭・物によるインセンティブは、その働きが1番はっきりしている。われわれの行動は金や物にすぐに影響されるからだ。買おうかどうか迷っていた洋服が、ある日みるとバーゲンで安くなっているから、思おず買ってしまった。

平たく言えば安くなったから買った、というわけだが、これは、価格のインセンティブが働いた、あるいは、価格が下がったことにより、買うインセンティブが増した、などと表現するとよい。価格が上がれば、それだけ買うインセンティブは減少する。単純明快である。新築マンションを見学に行くと、お土産をくれたりする。たいした商品ではないが、ない場合に比べればちょっと見に行こうかという気持ちは増えるであろう。お土産が見学に行くためのインセンティブになっているのである。


毎晩不特定多数の人の行動を監視するのはたいへんだから、違法投棄をしてもそれが発覚して罰則を受ける可能性は低い。そのため、違法投棄のコストは正式にリサイクル費用を負担するよりも低くなる可能性が高い。したがってこれから数年のうちに、これらの違法投棄による家電ごみ問題で頭を悩ませる大型マンション自治会や地方自治体が続出するであろう。

問題解決のためには、たとえば発見された違反者には1000万円くらいの高額の罰金を科すなどして違法投棄のコストを上げるか、あるいは処理費用は廃棄のときではなく新製品の購入時に徴収してしまうことで、廃棄の際にリサイクルをするインセンティブを高めなければならない。温暖化ガス(二酸化炭素)の削減は、わが国が現在直面する重要な問題のひとつである。

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